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逆転姉妹 |
深い色の夜空に真円を描いた月が、朧気な光を放っている。 マリア様の像の前。
祥子さまは、ゆっくりと振り返った。 「これ、祐巳の首にかけてもいい…?」 手にしているのは、大きく鎖を輪にしたロザリオ。 「賭けとか、同情とか…そんなものはなしよ。これは、神聖な儀式なんだから」 祐巳は、ロザリオとその向こうにある祥子さまの優しげな顔をぼぅっと見つめた。そして、ゆっくりと口を開く。 「お受け…しま」
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「待った!!」
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鋭く指を突きつけて、仁王立ちで大見得を切ったのは、まごうことなく紅薔薇さま。 「異議あり!!」 いつになく厳しい表情の紅薔薇さまは、再びビシィッと指を突きつけた。
「…認められないわ」 「な、なぜですの、お姉さまっ」 「…温室でのシーンはまだ良しとしましょう。二人だけの文化祭巡りも、カレーも、学園祭そのもののカットも、涙をのみましょう。だけど…」
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紅薔薇さまは、キッと顔を上げた。
「ワルツはどうするの、ワルツは?! もう尺が足りないのよ! 私はあなたのお姉さまとして、このシーンのカットだけは許さないわ!やり直しを要求します!」
「「そ、そんなことを言われましても…」」
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次回「黄薔薇革命、そして逆転」(ウソ)。 |
2004.0123 |