ぷれぜんとのうら |
お腹でカエルの独唱を披露してしまった祐巳は、しょんぼりしてビスケット扉をくぐった。 「祐巳」 はっと気が付くと、祥子さまが立ち止まってこちらを見ていた。 「手の平を上にして、手をお出しなさい」 「は、はいっ」 そっ…。 「……えっ」 「朝ご飯を食べられないくらい急いできたのは分かったから。…あまり恥をかかせるんじゃないの」 「祥子さま…」 しずしずと階段を下りていく後ろ姿を見送って、祐巳は手の中をそっと確かめた。
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「こっ、これは…!」
It's ドッグフード。
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祐巳は、手の中のものをマジマジと見つめた。 祥子さまにとって、私は犬ってことですか? それとももしかして、お腹をぐーぐー鳴らしてしまうような子には、これがお似合いよっていう罰っ?!
でもでも、これはせっかく祥子さまから頂いたもの…。 どう処理すべきか。 妹として、最大の悩みどころであった。
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…ばたばたばたっ。 「ごっ、ごめんなさい祐巳!渡すものを間違えたわ」 「え゛っ?!」
「あ、あなたまさか食べ…」 (暗転)
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…ふつう間違えるかな(^^;。 |
2004.02.07 |