台無し |
静かだ。
代表者戦。 大将戦で一本負けしたのに。もう後がないはずなのに。 自分はどうしてしまったんだろう。 今は、敵も部員も、観客も、そして由乃のことでさえ、どこか遠くに消え去ってしまったようだ。 そうか、これが……。 「代表者、前へ」 主審の声がした。 令は、ゆっくりと目を開け、そして、光の中へ一歩踏み出した。
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面有り、一本!
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「田中さん!」 全体礼が終わり、踵を返しかけた彼女を、令は呼び止めた。 「ありがとうございました!」 涼しげな顔の太仲の大将は、小さく微笑んだ。 「こちらこそ。今日は勉強になったわ。…もう一度手合わせができないのが残念だけど」 そう言って笑う彼女は、少し寂しげだった。 彼女は3年生で、おそらくこれが高校生活最後の大会になるはずだ。 「またいつか…」 「どこかで」 差し出された手を、令はしっかりと握り返した。 「ところで…前から気になっていたんだけど」
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「前垂れの『リリアン』の文字、ちょっと浮いてるわね」
それは私も思ってました――――!
令は、がっくり膝をつきたいのを何とかこらえた。
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じゃあ「裏々闇」ってのはどうでしょう?(笑) |
2004.02.08 |