あみあみ

 

雨に閉じこめられた古い温室の中で、私は誰にも邪魔されずに栞を感じていた。

今この瞬間だけ、栞のすべては私のものだった。

私は栞の吐息を感じながら、二人の湿った長い髪を何気なく一筋ずつとって、それを一つの束にした。

しかし色も質も違う二種類の髪は、押さえていた手を離すとすぐにはらはらと分かれてしまう。

 

 

私はなぜだか意地になって、二人の髪を三つ編みにした。

栞の髪を二筋、私の髪を一筋とって。そして、やっと私たちの髪は一つになった。

「何してるの」

「ううん、何でもない。もう少し寝てていいよ。雨がやんだら起こしてあげる」

 


ざー………

ざー……

………

……

…。

 

 

「…聖」

「ご、ごめん…ほどけなくなっちゃった」

互いの髪が濡れていたせいだろうか、ほどこうとすればするほど、複雑に絡み合っていく。

ごちん。

「痛っ」

「う〜…」

しっかりと結ばれた2種類の髪の姿に、自分たちの絆の形を見た気がして、嬉しいやら悲しいやら。

 

ドジっ子聖さまも燃える(笑)。

2003.04.24

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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