お墨付き

 

「ね、令。 由乃ちゃんだっこさせて」

紅茶のカップを傾けかけていた令は、あやうく吹き出しそうになるのをなんとかこらえた。

「…だめです」

「えーなんでよ」

不満顔の白薔薇さまをよそに、口元をハンカチで拭う。

この方は、何を考えているのだろう。

昔からよく分からない方ではあったけれど、祐巳ちゃんが入ってきてから、とみに分からなくなった。

 

 

「ちょっとぐらい、いいでしょう」

「イヤです」

「上級生の言うことが聞けないの」

なんと言われようと、ダメなものはダメ。令はそっけない態度を貫いた。

派手に嫌がれば嫌がるほど、この方は喜ぶんだから。

その点、うちのお姉さまにも通じるものがあるかもしれない。

まったく、困った方たちだ。

 

 

「じゃあ…この際、令でもいいや」

油断していた令は、えっ、と思う間もなく、白薔薇さまに背後から抱きすくめられていた。

「きゃあっ」

思わず悲鳴が出た。

「きゃあ、だって。これは以外と可愛い」

祐巳ちゃんより、ずっと女の子っぽいぞー、とかなんとか勝手なことを言っている白薔薇さまをなんとか振りほどこうとするのだが、いかんせんこちらは椅子に座っているので分が悪い。

「や、やめてください、白薔薇さま」

「やだよん。 あ、いっとくけど黄薔薇さまには許可済みだから」

 

 

なんですと! と首だけ振り返らせると、いつからそこにいたのか、ビスケット扉の前に、黄薔薇さまが立っている。

「お姉さまっ……」

抗議の声を上げかけて、令はがっくりと肩を落とした。

ああだめだ。お姉さま、次は自分もやる気満々だ。

 

黄薔薇さまの目が、生き生きと輝いておられる。

こうなってはもう、誰にも止められないんじゃよ。

 

ご注文の令さま×聖さまですわ。

2003.05.02

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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