売約済み
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じーっ。
見ている。 見られている。 白薔薇さまが背中をじっと見ている。
「うーむ…じゃあ、しょうがないか」 いつ襲いかかられるかと、内心、身構えていた令は、あっけなく踵を返した白薔薇さまに、あっけにとられる。
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じーっ。
見ている。 見られている。 お姉さまが背中をじっと見ている。
「あらあら、つまらないわね」 含み笑いをして、やはり意味不明な言葉を残して去っていく黄薔薇さまを見送って、令は首を傾げる。
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じーっ。
見ている。 見られている。 祥子までが背中をじっと見ている。 「なに?みんなさっきから何を見てるの。私の背中に、何か付いてる?」 ちょっとイライラしてきた令は、同学年のよしみで、祥子に当たる。 ところが。 「付いているわよ。今まで気付かなかったのかしら」 「えっ?」 あわてて、鏡を見に行くと…。
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わたしの。 By 由乃
「うわ、いつのまに!」 背中にでっかく、張り紙がしてあった。 祥子はため息を付くと、なぜか嬉しそうな令の横を通り過ぎて、お茶を入れに行った。
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令さま「もう、由乃ったら♪」 |
2003.05.03 |