ああっ由乃さまっ |
「わたしたちって、2年生になったんだよね」
放課後、山百合会のメンバー全員が勢揃いした薔薇の館の2階で、祐巳は藁半紙を揃えながら呟いた。 「祐巳さんたら、何言ってるのよ。当たり前でしょ」 手帳に何やら書き込んでいた由乃さんが、今さら何をって顔をする。 「ん…」 祐巳はあいまいに笑って、藁半紙をテーブルに置いた。
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「でも、祐巳『さま』って下級生から呼ばれるの、慣れなくて」 ぽりぽりと、困ったような顔で人差し指で頭をかく。 隣に座っていた志摩子さんが、緑茶の入った湯飲みを置いて頷いた。 「ああ、それはあるわね。『志摩子さま』って呼ばれるのには、少し違和感が…ね」 「そう?私は別に『由乃さま』って呼ばれても平気だけど」
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由乃さま? 由乃「さま」ー?!
由乃さんの隣で収支報告を書いていた令さまがぷるぷる震えている。 今にも沸騰しそうな顔だ。
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べきっ。 ぶきっ。
「痛っ…ちょっと令、さっきから折れた芯が飛んできて痛いのだけれど」 向かいに座っていた祥子さまが眉をひそめたが、令さまは全然気付かず、シャーペンの芯2本分を消費しても収まらなかった。
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令さま「そう呼んでいいのは私だけよ!」(違) |
2003.05.10 |