黄薔薇さまご乱心 |
「祐〜巳ちゃん」 はっ、殺気! がばっ。 ささっ。 祐巳は素早く身をかわした! 「あら。どうして逃げるの」 不満そうな声に振り向くと、立っていたのは白薔薇さまではなく…。
|
「黄薔薇さまっ?!」 本日も、秀でたおでこがまぶしい鳥居江利子さま、その人であった。 「ど、ど、ど、どうしたんですか、一体」 慌てる祐巳には答えずに、黄薔薇さまは「にっこり」ではなく、言うなれば「にやり」と笑った。 「ねえ、祐巳ちゃん」 「は、はいっ?」 「聖はもちろん、蓉子にまで許したっていうのに、私だけ避けるっていうのは、不公平なんじゃない?」 「ふ、不公平って…別に私が許したわけじゃ。お二人が勝手に…!」
|
「ねえ、祐巳ちゃん」 「う…」 「知り合ってからまだ半年くらいだけど、色々あったから、私の性格はわかっているわよねえ?」 黄薔薇さまは、さわやかに微笑まれた。 「さ、おとなしく私に抱かれなさい」 にじり寄りっ。 「ロッ、黄薔薇さまっ!」 そんな、誤解を招くようなことを…。
|
バサバサバサッ。 大量の書類が、床に散乱する。 「ロロロロロ黄薔薇さまっ、祐巳に何をなさるおつもり?!」 「「あ。」」 振り返ると、思い切り誤解した祥子さまが、わなわな震えながら立っていた。
|
江利子さま「やっぱり祐巳ちゃんって最高におもしろいわ」 |
2003.05.13 |