すごいよお姉さん

 

「ほんとーにいいんだな、祐巳」

真剣な顔で問いただす祐麒に、彼の姉はもちろんという風に、こっくり頷く。

「…わかった。 もう、俺の教えることは何もない。ぞんぶんに、やれ」

祐麒は、腕組みをしたまま、深く頷いた。

 

 

「ありがとうございます。――師匠!」

 

バッ!

懐から取り出し、宙に広がった布を間髪入れず、身に付ける。

ビシッ!

素早くかごを取り上げて、あみだに構える。

「行きます!」

 

 

 

「安〜来〜」

アラエッサッサー

 

 

 



「どうだった?!」

五円玉で鼻をひしゃげさせたまま、燃える瞳で汗を拭う祐巳。

 

すげえ。すげえよ、祐巳。

この姉には生涯敵いそうにない。

涙と拍手を送りつつ、祐麒は思った。

 

「三年生を送る会」前夜の心温まる一コマ(笑)。

2003.05.14

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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