@

イメージ崩壊5秒前

 

すたすたすたすた…。

 

ふぅ。 あぶない、あぶない。

バレなかったわよね、私の正体。

今日はあくまで、妹たちを遠くから見るのが目的なんだから。

 

だいじょうぶ、だいじょうぶ。ちゃんとサングラスもしてるし…。

「なにしてんの、蓉子」

わたわたわたわたっ!

 

 

目の前に立っていたのは、言わずと知れた佐藤聖。

「ほ、ほほほほ…人違いじゃありません?」

「いや、どこからどう見ても蓉子だし」

「きっと、他人のそら似でしょう」

「サングラスなんかかけちゃって。似合わないってば」

「ああん!」

あくまで白を切ろうとする彼女から、聖はサングラスを取り上げた。

それはまさしく前紅薔薇さま、水野蓉子。

 

 

「見られたくなかった、あなたにだけはこんな姿…」

「いや…それはいいんだけど」

何やら自分の世界に浸ってしまっている蓉子に、聖は尋ねた。

「今の縦ロールちゃん、知り合い?」

「いいえ。ちょっとぶつかってしまって…なぜかしら?」

「いや、確かあの子、祐巳ちゃんの知り合いだよ。なんだか、気になる存在みたい…」

「ええっ?!」

 

 

「もう、おしまいだわ…きっとあの子、私のことヘンな人だと思ったに違いないもの。
あああ…曾孫との初対面がこんな形で終わるなんて…私の、私のイメージが…ぅぅぅぅ」

 

頭を抱えて完全に自分を見失っている蓉子に、聖はもしもしと声をかける。

「いや、誰もまだあの子が祐巳ちゃんの妹になるとは、言ってないんだけど…」

フォローしつつ、変わったなぁ、蓉子…と密かに心の中で汗をたらす聖だった。

 

なんか、私が書くと蓉子さまがどんどん変な人に(^^;。

2004.02.04

 

爆笑! くすりっ もえ~ じんわり つまんない

お名前  mail

  ご意見・ご感想などありましたらどうぞ。