ロサ・フェティダぶらり旅

 

由乃は上機嫌だった。

今日は土曜日。

それだけだったら、別に珍しくもなんともないが、今日は剣道部の練習がお休みなのだ。

当然、お姉さまである令の練習も休み。

久しぶりに土曜の午後が丸々空いたわけだった。

 

 

「ただいまー」

自宅の玄関を入って、奥に声をかける。

「いってきまーす!」

荷物とコートだけを置いて、すぐにまた飛び出す。

目指すはお隣の支倉家。

祐巳さんと約束があったので、令ちゃんは先に帰って、お昼ご飯の用意をして待っている。

「こんにちはー」

一声かけて、支倉家の玄関をくぐった由乃は、靴を脱いで中に上がった。

勝手知ったるお隣の家。 軽快に階段を上がりながら、由乃はこれからのことを考えていた。

 

 

お昼食べて…おしゃべりして…そうだ、たまには令ちゃんの好きな恋愛映画のビデオにも付き合ってあげるか。

今日は外に出たりしなくていいから、とにかく二人で一緒にのんびりと…

「令ちゃん、ただいまー!今日ねぇ…って、ああ!!

一歩、室内に踏み込んだ途端、由乃は目を剥いた。

「あら、由乃ちゃんお帰り」

「ロッ、黄薔薇さま?!」

そう、この部屋の主みたいな顔でこたつに入っているのは、誰あろう黄薔薇さまこと、鳥居江利子さま。

 

 

「なっ…何してるんですか、こんなとこで?!」

「あら、ご挨拶ねぇ。姉が妹の家に遊びに来るのに、何の問題もないはずだけど?」

「むぐっ…」

余裕タップリの黄薔薇さまの正論に、由乃は一瞬、言葉に詰まった。が、すぐに立ち直ると、端の方で縮こまっている令に、鋭い視線を向けた。

令は、片手を小さく上げて、ごめんっと謝罪のポーズ。

「ごちそうさま。おいしかったわ、令。さすがね」

「ああっ、私のお昼ご飯!!」

それはまさしく、由乃が令ちゃんと一緒に食べようと思っていた昼食のなれの果て。

わなわな震える由乃の横で、黄薔薇さまは満足そうに、お茶なんかすすっていた。

 

波乱の予感(笑)。

2004.02.08

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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