千代古齢糖・紅? |
2月14日。
祐巳の前には、瞳子ちゃんがいた。 どこか、決意を秘めた顔をしている。 「ええと、それで話ってなに、瞳子ちゃん?」 「…祐巳さま」 舌で唇を湿したあと、瞳子ちゃんは言った。 「受け取っていただきたいものがあります」
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「受け取ってもらいたいもの…?」 それって、もしかして…。 どきん、と鼓動を一つ大きく鳴らす祐巳の目の前で、しかし瞳子ちゃんは、なぜか片方のお下げに手をやった。 ぶちっ。
ぶち…って……え? 「これを…」 そう言って、瞳子ちゃんは祐巳の手に、それを乗せた。
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チョココロネ。
「え゛…」 「受け取ってください!」 「い、いや…え?これ…?」 「それじゃっ」 「あ、ちょっ、まっ、瞳子ちゃーーーん!!これどうすればいいの?!」
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「…っていう夢を見たんだけど」 今度こそ、間違いなく2月14日。 祐巳の昨日の夢の話を聞いていた瞳子ちゃんの拳が、ぶるぶると震えている。合わせておさげも、どりどり揺れる。 「だから…私のお下げはドリルでもなければ、ましてやチョココロネでもありませんっ!!」 「いやぁ、それがものすごい質感でさ。あのふわふわ感といい、中にチョコが詰まったずっしり感といい、あれはまさに…」 「人の話を聞いてくださいっ!大体、チョココロネなどではなく、ちゃんとしたチョコがここに…」 「えっ?」 「あ゛っ…」
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自爆瞳子、らぶ(笑)。 |
2004.02.14 |