かいしんのいちげき! |
祐巳たちが2年生になって迎えた秋。 ギンナンの季節。 秋風とともに、その人はやってきた。
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「おーい!」 帰り支度をして校舎を出た志摩子は、誰かに呼ばれたような気がして、顔を上げた。 乃梨子にしては、来る方向がおかしい。 視線を向けた先、銀杏並木の向こうには…。 「…お姉さま…!」 それは、とても久しぶりに見るお姉さま、佐藤聖さまの顔。 嬉しいはずなのに、突然会えた驚きで声が出ない志摩子の元へ、その方は軽やかに駆けてきた。
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「志摩子ー、ひさしぶりー♪」 「お、お姉さま、お久しぶりです。あの…」 「えい!」 だきっ 「え?!お、お姉さま…」 チュッ。 「!!!」
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「元気そうで何より。じゃーまたねー!」 現れた時と同じように、その人は風とともに去っていった。 後に一人残された志摩子は…。 (えっ、な、なに、いま、何が起こったの? お姉さまに抱き締められて、ちゅっ…て、ええっ?!)
「志摩子さん、お待たせー…って、ど、どうしたの志摩子さん?」 校舎から出てきた乃梨子が見たものは。 頭からぼっしゅぅぅぅぅ…と煙を噴いて、真っ赤っかになっている志摩子さんの姿だった。
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辻斬り聖さま。ちなみに、ほっぺですから(笑)。 |
2004.02.15 |