さちこはすばやくみをかわした! |
やっぱり親友であるところの二人から話を聞いた水野蓉子さま。 これは自分もやらずにおれますかと、一念発起。 意気揚々と出かけられた。
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今日もご主人様と従者といった感じで校舎から一緒に出てきた紅薔薇姉妹の祥子と祐巳。 「おーい!」 誰かに呼ばれたような気がして、顔を上げた祥子と祐巳の視線の先には、顔を合わせるのはそんなに久しぶりでもない蓉子さま。 「お姉さま」 「蓉子さま!」 それでもやはり、仲良くしっぽを振ってしまう祥子と祐巳の元に、その方は軽やかに駆けてきた。
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「祥子、久しぶりね」 「はい。お姉さまもお元気そうで…(はっ!)」 「…えい!」 ささっっ 「な、なにをなさるのお姉さま」 「あん、なんで私の時だけ避けるのよ」 勘の鋭い祥子に逃げられて、とても悔しそうな蓉子さま。
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しかし、転んでもタダでは起きない。即座にターゲット変更。 「…それじゃ、祐巳ちゃんにしよう」 「えっ、なんですか??」 だきっ。 「ひゃっ…」 「お姉さま!祐巳に何をなさるの」 ぎゅぅっ。 「うひひゃうっ、お、お姉さまむぎゅぅっ」 「いいじゃない、祥子のケチ。自分が避けたのだから、自業自得よ」 「当然です。理由もなくそんなことをされるいわれはありません」 「まあ、理屈っぽい」ぎゅう。 「…お姉さまの妹ですから」ぎゅぎゅう。 「あわわ、あうあう…」 前後から抱きすくめられて、祐巳パニック。
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ある意味、幸せなんじゃないかと思いますが(笑)。 |
2004.02.17 |