今日は薔薇の館には３人しかいなかった…が、いつにもまして平穏な時間が流れていった。

紅薔薇さまは各部との打ち合わせで遅くなる。白薔薇姉妹は委員会で以下略。

黄薔薇姉妹は部活動にいっていた。

つまり…祐巳・瞳子・可南子の３人しかいなかった。

　

　

「貞子ちゃん」

「誰が貞子ですかっ！」

「ゴメン。つい昨日見た映画を思い出しちゃって…」

「それってもしかしなくても、昨日放送されたリ○グとか言う映画じゃあ」

「うん。すっごく怖かったよ。夜寝られないかと思っちゃった」

　

　

「ところで、ドウコちゃん。この収支報告なんだけど」

しーん

「………あれ？　ドウコちゃん？」

「祐巳さま。ドウコとは一体誰のことなんですか？」

「えっ？　瞳子ちゃんの事だよ？」

　

「………何故？」

「だって、蔦子さんもカメラを手放さないから『カメラちゃん』って呼ばれてるから…瞳子ちゃんも親しみやすいように。

いつもドリルを持ってるから…『トウコ』と『ドリル』を合わせて『ドウコ』…あっ、ドリコちゃんの方が良かったかな？」

「どっちも嫌ですっ！　というか、ドリルなんて持ち歩いてませんっ！」