姉のぎわく |
「ねえ、祐麒…」 「んー?」 しっかり者の弟は、明日の予習で机に向かう。 祐巳はちらちらとその背中を見ながら、一気に言った。 「男の人と、ききききキスしたこととかあるっ?!」 ごす。がらがしゃーん! 凄まじい音と共に、机に頭突き。そして、落下。
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「そっ、そんなに動揺するってことは、あるのねっ?!」 「ンなこと聞かれれば、誰でもコケるわい!」 「じゃあ…ないの?」 上目遣いに、疑惑の眼差しを送る姉。 「あるかっ!なんでそんなこと聞くんだよ!」 「だって…令さまから借りた本に…」 「……貸してみろ、それ」 こめかみを押さえながら、祐麒は手を出した。
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コスモス文庫(表紙ブルー)。 祐麒は頭を抱えた。 「何読んでんだよ、何を!?」 「だって、前に読んだ『いばらの森』は良かったし…令さまがうきうきして貸してくれたから…ごめん、変なこと聞いて」 「…いいよ、もう」 「でも、良かった。…じゃあ、さりげなさを装って手を握られたり、友情表現とか言ってヘッドロックで体密着されたり、がんばれとか言って冗談交じりにお尻はたかれたり、先輩に唇を奪われそうになったりなんてこと、全然ないんだね」
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「………」(←全部思い当たる) 「ちょ、ちょっと、なんでそこで黙るのよ?!」 祐麒の肩をつかんで、がっくんがっくん揺すりながら問いつめる祐巳。 「生徒会長は…うっ、体力勝負なんだよ」 「どういうことなの!祐麒!ちゃんと私の目を見て答えなさいよ!ねえったら!」 じょーと涙を流す祐麒は、これ以上、傷口に塩を塗り込まないでくれと言いたかった。
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いや、全部未遂ですから、念のため(^^;。 |
2004.03.13 |