いえろーでー |
「はい、れいひゃん」
これは何だろう。 黄薔薇さまこと支倉令は、改めて目の前で起こっていることを確認した。 由乃が、細長い棒状のお菓子を口にくわえて、ぴこぴことこちらに差し出している。 お菓子には、白いコーティングがされている。 これはいわゆる、ホワイトチョコ・コーティングというやつだろうか。 つまり…。 要するに…。 これが由乃のホワイトデーのお返しということに?
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「ええーっ?!」 「令ちゃん、うるさい」 一度、ポッ○ーを口から離した由乃は、耳を押さえた。 「いや、だって、ほら…」 「ん」 「…ここで?」 令はぐるりと辺りを見回した。今は誰もいないとはいえ、薔薇の館に間違いはない。 「ん!」 まずい。由乃が苛立ってきている。
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そうだ、由乃だって恥ずかしいに違いない。それでも、私のためにここまでしてくれているのだ。 可愛い由乃のホワイトデー返し。否やはなかった。 「ん」 ぱくっ。 令は意を決して、由乃がくわえているのとは反対側の端をくわえた。 至近距離でどアップになる由乃の顔。 いつも見ているのに、どうしてこんなにドキドキするんだろう。 顔が赤くなってるな…と意識しつつ、令は前進した。 ぽり…ぽり……ぽり………あと数センチ。 パキッ。
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「あ…」 「……折れちゃったね」 「うん」 ぽりぽりと口の中のお菓子を噛みながら、二人は顔を見合わせ合った。 「…まだ、たくさんあるよ? 食べる?」 こくこくと頷いてしまう自分は、やっぱり姉バカだなぁ…と思いつつ、令は2本目にチャレンジした。
…だがこのあと、江利子さまが同じように待ち受けていようとは、知る由もない。
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別に私、百合好きじゃないですよ?…ホントですって(^^;。 |
2004.03.14 |