異質空間

 

「………………」

乃梨子だけが見守る中、薔薇の館にはいつもとは違う不思議な空気が流れていた。

「可南子さん。カップ洗い終わりましたわ」

「瞳子さん。館のお掃除も終わりました」

「では、薔薇さまがたがそろそろこられると思いますので、お茶会の用意をいたしましょう」

「そうですわね」

 

 

おかしい…天敵であるはずの2人が、あんなに仲良く薔薇の館のお手伝いをするなんて、天地がひっくり返ってもありえない。

まさか、不吉な事のある前兆!?

『がちゃっ』

ビスケット扉が開いて入ってきたのは、黄薔薇さまこと支倉令さま。

『ごきげんよう』

「ああ、ごきげんよう」

 

 

あれ? 黄薔薇さまもいつもと違う………何かぶつぶつ言いながら歩いてるし…

私の近くを通る時、その呟きが聞こえた。

「よしの〜 よしの〜」

………そういうことですか。修学旅行に行かれた妹が、心配でならないんですね。

紅薔薇さまなんて体調を崩されて休んでいるくらいだから、学園へこられる黄薔薇さまの方がまだ依存度は低いのですね。

 

 

とはいえ、唯一の薔薇さまに、今の現状を相談する。と、あっけなく答えが返ってきた。

「祐巳ちゃんがいないから、アピールできなくて意気消沈しいるんでしょう」

 

………意気消沈すると、2人は協力できるんですか?………

 

だったらもう少し祐巳さまがいなくても…でもそうなると、紅薔薇さまも黄薔薇さまも元に戻らないし。

お姉さまである白薔薇さまもいない…どうすればいいの?

1人で悩みこんでしまう乃梨子だった。

 

(みゃあ)祥子さま休みかよっ(笑)。

2004.03.19

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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