小笠原家の食事事情・つー

 

薔薇の館、由乃さんはニコニコしていた。

昨日、令さまと一緒に食事に出かけたらしい。

いわゆる支倉、島津両家の食事会ではなく、二人だけで外食したのだという。

「ま、たまにはね。」

近所のレストランだったらしいが、それでも由乃さんを満足させるには十分だったようだ。

 

 

「祐巳さんはどうなの。」

「何が?」

「何がって・・・祥子さまとお出かけ。二人だけの食事とかないの?」

そう言われても、せいぜいデート先で軽く食事するくらいだ。

食事を目的に二人だけで出かけたことはない。

志摩子さんは乃梨子ちゃんと頻繁に旅行しているらしいから、食事の機会も多いだろうけれど。

 

 

「お姉さまと私じゃあダメだよ。だって、食べているものが違いすぎるじゃない。」

「そうでもないわよ。」

黙って話を聞いていた祥子さまが口を開く。

「そういうイメージがあるのは仕方ないけれど。別に毎日フルコースとかいうわけじゃないもの。」

どうしても、生粋のお嬢様である祥子さまには懐石やフルコースが似合う。

 

 

「では、昨夜は何をお召し上がりに?」

「母の手作り、よ。最近では色々なアレンジを加えるようになったわ。」

「へぇ・・・・ 料理もお上手なんですね。」

関心している表情の乃梨子ちゃん、絶対に勘違いしている。

あの人に作ることの出来る料理はたった一つしかない。

「お婆さまのお家で召し上がったアレ、ですね?」

「えぇ。 こだわりがあるらしくて、自分で買いに行っているわ。」

祥子さまは苦笑する。

祐巳の脳裏に、両手に冷凍うどんの詰まった袋を持って高級車に乗り込む姿が浮かんだ。

 

(みゃあ)料理は作れますが、やたら時間がかかるという。…アレも1時間ぐらいかけて作ってるんでは?(笑)

2004.03.25

 

爆笑! くすりっ もえ~ じんわり つまんない

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