まもって守護薔薇天!〜白い守護天使(?)の巻〜 |
時に季節は紅葉。 銀杏並木に金色の絨毯が敷き詰められる、そんな季節。 「志摩子さん、遅いな・・・」 お昼に二人でお弁当を食べる約束をした乃梨子は、いつもの裏庭で待ちほうけてた。 すると、そんな暇を持てあました乃梨子に声がかかった。 「ごきげんよう。乃梨子さん」
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そこに志摩子の姿はなく、顔に見覚えのない女生徒3人が立ちはだかっていた。 「少しお話ししたいことがありますのですが、よろしいでしょうか?」 リーダー格と思われるやや大柄なポニーテールの生徒が尋ねる。 「私たちが思うに、最近乃梨子さん、やや調子に乗っておりませんこと?でも、勘違いなさらないでくださいね?白薔薇のつぼみですので白薔薇さまと仲がよろしいのは分かりますが、仲良き中にも節度ありと申しますのでそのことをお忘れなく、と言いたいだけなのですのよ?」 そうよ、そうよ!と、後ろの2人が援護射撃を行う。 「ロザリオの件に関しましても、しつこく付きまとって無理矢理に手に入れたという噂ですのよ?もちろん私は信じておりませんが」 ほほほほほ。とその女生徒の高笑いが裏庭に響いた。 どうやら彼女たちは白薔薇さま──志摩子さんのコアなファンのようで、早々とつぼみとなった乃梨子の存在が面白くないようで。 実は志摩子さんのファンは多く、こういうことは初めてではなかった。
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いつもなら乃梨子の完全無視でこの場はお開きになるのだが、今回は違った。 「そもそも、白薔薇さまは慈悲のお心があだとなってしまい、結果どなたにもお優しすぎたのです。そこを・・・・・・」 ここで何か小さい物がそのいやみ女生徒にぶつかる。 「・・・痛っ!誰ですの!?石を投げつけたのは!?」 それは1回の攻撃ですまなかった。 タタタタタタタタタッ! 次々とビーダマくらいの大きさの物が、マシンガンのように乃梨子以外の女生徒3人を襲う。 「痛っ!いたたっ・・・!何ですの、いったいこれは!?」 そのビーダマサイズの何かが飛んでくる方向には・・・ 『うさぎ!?』 そこには商店街などで風船を配る、人が中に入るぬいぐるみがいた。 その『うさぎ』が両手を駆使してそれを投げているのである。 そして、そのいやみ女生徒が気づく。 「くさっ!・・・これ、石じゃなくて銀杏っ!?きゃぁぁぁ〜〜〜!!!」 こうして、いやみ3人組は悲鳴のドップラー効果と共に去っていった。 彼女たちのあだ名が『ギンナン姫』にならないことをマリア様に祈りましょう。
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女生徒3人が去り、その場に残った二人(?)が見つめ合う。 「あの・・・」 ここで正体に気づかれるのを嫌ったのか、『うさぎ』が回れ右をして去っていく。 乃梨子はその後ろ姿に向かって、力の限り叫んだ。 「ありがとう!ウサ・ギガンティア!!!」 すると、『うさぎ』がこけた。
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(みゃあ)ギンナンマシンガンはウサ・ギガンティアの必殺技だ!(マテ) |
2004.03.26 |