双子の姉妹 |
「令、さっき蔦子さんがこれをくれたのよ。」 そういって祥子さまは、ぽけっとから数枚の写真を取り出した。 写真には、花寺の生徒に囲まれたリリアンの生徒の写真だった。 「うん? これ祐巳ちゃんだよね。周りにいる・・・男性は、高田さんに小林さんね。花寺の学園祭のときの写真?」 「違うわ、令。このリリアンの制服を着たのは祐麒さんよ」 「?!うそ・・・。」 「ええ、そっくりでしょう。」
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しかしどうやって撮ったのだろうか。 セーラーを着た祐麒にむかって学ランの生徒が手を上げてなにやらシュプレヒコールをあげるているものやセーラーを着た祐麒が後ろにたくさんの配下を従えて歩く姿まであった。 数枚の写真をめくって見た後、令さまは、セーラー服を着た祐麒が手を口に添えて微笑んでいる写真をさして、 「そっくりね、祥子。これならプランCも十分にOKじゃない。」 「令もそう思う?実は私もそう思ったの、でもCよりDのほうがいいのじゃにかしら二人で一役はもったいないわ。」 「Dか・・・。」 「大丈夫よ。アリスにも声をかければ人数は足りるはずよ。」 「OK、じゃその線でいってみようか。」
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翌日
「花寺から了承とったわよ。祥子!」 「あら、早かったわね。」 「祐麒さんには劇で何をするかまだ教えていないみたい。それとアリスがね、リリアンにこれるってよろこんでるみたいよ。」 「まぁ・・・。」
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本番当日
舞台では、姫君に扮した祐麒と若君に扮した祐巳のどたばたコメディーが繰り広げられた。 双子の姉妹ような二人の掛け合いは、見るものを感銘と笑いの渦に引き込んでいったのである。観客の多くは、舞台に男性がいることにまったく気づきもしなかった。 劇のタイトルは「とりかえばやものがたり」、男装の姫君と女装の若君。男女入れ替わって成人を迎えた異腹の兄妹が宮中にまきおこす悲喜こもごもの華麗な運命劇! この二人のためのような劇だった。
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祐麒は泣いてるでしょうね(笑)。 |
2004.03.29 |