ここは、ある超富豪の豪邸。

伝説の武器を集めて世界を旅している、魔物使い『ユキチ』。

ユキチはその伝説の武器の手がかりを手に入れ、この豪邸を訪れていたのである。

そして、なんとユキチはその“伝説の盾”がもう少しで手に入りそうであったのだ！

　

　

「さぁ、どちらと結婚するのだ？どちらと結婚しても、この“伝説の盾”はお主にささげよう！」

そう言い放ったのは、この豪邸の主であった。

もう少しで伝説の武器の一つ──“伝説の盾”が、手に入るのはいいのですが・・・・・・そう、それはいいのですが・・・・・・

ぶっちゃけ、人生最大の修羅場です。

「私の娘にするか、それとも幼馴染の美女にするか。どうする？ユキチよ。」

そして、ユキチの目の前には、二人の人影が・・・

　

　

そこには、アリスと柏木 優の姿があった・・・。

「あぁ・・・これは夢だ・・・。悪夢だ・・・！ナイトメアだっ・・・！！！」

頭をかかえるユキチ。

「まっ…前から、好きでした！ユキチっ！ぼくと、け・け・け…結婚してくださいっ！！！」

頬を朱に染めるアリス。

「あっ・・・ちなみに、ぼくと結婚すると富豪の地位がついてくるそうです・・・」

後ろで、うんうんと頷く富豪のアリス父が印象的だった。

そして今度は柏木先輩のアピールの番がまわってきた。

「ユキチ。旅などやめて、我が妃にならんか？」

どこまでも高飛車な柏木さまですことで・・・。

「そうだな・・・俺と結婚すると、もれなく至高の愛がついてくるぞ」

愛の押し売りは、ほどほどに柏木さま。

　

　

「それで、どちらの娘を嫁にするのだ？私の愛娘か？」

　　はい
　→いいえ

「そうか・・・。では、幼馴染の美女か？」

　　はい
　→いいえ・・・

「そうか・・・。では、私の愛娘か？」

　　はい
　→いいえ！！！

「そうか・・・。では、幼馴染の………（以下略）

・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・

・・・・・

あぁ、早く・・・

早く！

『誰か！誰でもいいからプレイヤーの方！早くリセットを！手遅れになる前に！早くっ！！！』

こうして、ユキチは心に大きな傷を受けましたとさ。