真実の山百合会

 

「とにかく、あなたはみんなを裏切った・・・!」
可南子ちゃんは泣いていた。
どうやら自分のイメージと実際の祐巳とのギャップに混乱しているらしい。
「そう言われても、私は私なんだけど。」
かつて蓉子さまがおっしゃっていた気がする。
イメージばかりが先行して、近寄りがたい存在になってしまっていると。
となれば、祐巳はそのイメージを正さなければいけない。
「可南子ちゃん、ついてきて。」

 

 

「令ちゃんのバカー!!」
薔薇の館の二階からは、今日も由乃さんの元気な声が聞こえてくる。
「今のって、まさか・・・・」
「そう、由乃さん。」
「まさか、あの病弱な黄薔薇のつぼみが・・・・」
未だ1年生の間では、由乃さんはそういうイメージらしい。
祐巳も志摩子さんに連れられて初めて入った時のことを思い出す。
「じゃあ、これが本当の姿よ。」
階段を上った祐巳は、ドアを開けた。

 

 

「今度のデートと剣道をブッキングさせるなんて。
 もう知らない!」
「由乃ぉ〜。」
黄薔薇姉妹は今日も下克上だ。
令さまが由乃さんにすがりついている。
「ふぅ・・・・」
その横では、日なたで老猫のように落ち着き、日本茶をすする白薔薇姉妹。
卒業された志摩子さんのお姉さまがオヤジだったから・・・・
そして、その影響は確実に乃梨子ちゃんも浸食している。

 

 

「お姉さま。」
祐巳の声に、唯一凛としている祥子さまが顔を上げた。
書類と令さまの悲鳴に、祐巳と可南子ちゃんに気づいていなかったらしい。
「これを。」
祐巳は胸元からロザリオを引きずり出した。
とたんに豹変するお姉さま。
「ゆ、祐巳!?
 まさかそれを返すなんて言わないでしょうね。」
取り乱し、令さまをはじき飛ばして駆け寄るお姉さま。
失礼ながら普段の威厳は、正直ない。

「と、まぁこれが真実の姿なの。
 分かって、ね?」
祐巳は可南子ちゃんに声をかけた。
あ、やっぱり泣いてる。

 

(みゃあ)由乃に怒られ、祥子にはじき飛ばされた令さまの行方が気になる(^^;。

2004.04.07

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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