ピクンッ

（何か起こる予感がする）

「ごめん、景さん。急用が出来たから、先帰ってて」

「わかったけど、７時までに帰ってこなかったら、佐藤の御飯片付けるからね」

　

　

　ピキンッ

（何か面白い事が、リリアンで起こる予感がするわ）

　ピッ、ピピッ

「あっ山辺さん？あたしですけど、ごめんなさいね。諸用で待ち合わせの時間を遅らせたいんですけど…」

「実は僕も、急に全職員参加の会議が入ってしまって、電話しょうとしていたところなんです」

「わかりました。じゃあ、８時にいつもの駅前の喫茶店で」
（これで心置きなく行けるわ）

　

　

　ゾクッ

「どうしたの、水野さん？」

「いえ、なんでもありませんわ」
（うーん、なんだか知らないけど、聖や江利子が問題を起こした時みたいな胸騒ぎがするわ）

「…ごめんなさい。あたし、ちょっと風邪ひいたみたいだから、医者に行くために帰るから、次の講義のノート、来週見せてくれない？」

「分かったわ。お大事に」

「ありがとう」
（嘘をつくのは苦しいけど、すぐに向かわなくちゃね）

　

　

「祥子様、今のうちに早く着替えましょう」

「そうね。メイド服姿なんて、あまり人に見られたくないわね。ちょっと待って、祐巳、リボンが曲がっていてよ」

「良いモノが見れたわ」

「うーん、祐巳ちゃんと祥子のメイド服姿、萌え〜」

「あら、聖」

「そこのほっかむり姿の方は江利子じゃない」

「なにニタニタしているの」

「そういう聖の方こそ、顔が崩壊していてよ」

「フフフフフッ」

「ハッハッハッハッハッ」

ピキンッッ
ピクンッ

「…江利子、悪い予感がするんだけど」

「聖、あたしもするわ。具体的に言うと、水野蓉子の登場という名前の悪寒が」
「こらっ。聖、江利子！！なーにビスケットに張り付いて覗き見してるの！！」

「「逃げるわよ」」
「待ちなさい、こらー」