祥子さまの至福 |
「ごきげんよう。」 「これはこれは、紅薔薇さま。わざわざどうも。」 修学旅行の数日後、写真部の部室を祥子さまが訪れていた。 「写真は出来ていて?」 「えぇ。」 来年度の学園案内パンフに使う写真の選定である。 蔦子の撮影ばかりが目立っているが、写真部にはこういう活動も多い。
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「これはキープね。・・・これもいいわね。」 修学旅行には行っていない祥子さまが、第三者の視点で候補を絞る。 最後に山百合会全員で採用写真を学園に提出することになっていた。 「・・・これは。」 ふと祥子さまの手が止まる。 「あぁ、それですか。それはヴェネツィアへ行くときに・・・・」 「いくらなの?」 「は?どういう意味でしょう。」 祥子さまは財布を取りだしていた。
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「先輩、どうしたんですかコレ!?」 写真部の1年生が驚く。 部室には最新鋭の機材がズラリと並んでいた。 ただでさえ消費の激しい蔦子がいるというのに、こんな高価な物品を部費で揃えられるわけがない。 「いやぁ、ありがたい”個人的な寄付”よ。」 蔦子は日本茶をズズッとすする。 まさか機材まで揃えてくれるとは思わなかった。
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「ふぅ・・・・」 祥子はとても満足そうだった。 ユーロスターの車内で眠る祐巳と由乃。 無垢な表情で寄り添う二人は、まるで天使のようだった。 「さすがは写真部のエースね・・・・」 写真部の旧式機材では十分に引き延ばせられないらしい。 それではと自費で全て揃えたのだ。 機材は高かったが、それに見合う出来である。 ポスター数枚分にまで引き延ばされた写真は祥子の私室の壁を堂々と占拠していた。
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(みゃあ)祥子さま…(^^;。 |
2004.04.10 |