呼ばないで

 

  「ごきげんよう」

  放課後、一人で薔薇の館に訪れた
  蔦子が部屋を見回す。

  「ふむ、三年生は不在で一年生と
   二年生だけか……ま、丁度良いかも」
  「何が?」

  祐巳が尋ねると、蔦子はちょっと
  真剣な顔をして答えた。

  「祐巳さん、あなた憑かれてるかも」
  「え、やだ。私そんなに疲れた顔してた?」

 

 

  「うん、そう来ると思ってたけど
   疲れてるじゃなくて、憑かれてる」

  一同、視線を一点に集中させる。

  「……私じゃありません」

  可南子がムッとした表情で答える。

  「えーと、そっちじゃなくて……」

  蔦子が困ったように言う。
  一同、視線を一点に集中させる。

 

 

  「何で私を見てるんですかっ!」
  「瞳子ちゃんでもなくて。
   これ見てもらった方が早いかな」

  差し出された写真を覗き込む一同。
  休日に偶然街で祐巳を見かけた所を
  撮影した写真のようだが……。

  「つつつ蔦子さんっ……!こ、これはっ!!」
  「そう、正真正銘本物の心霊写真。
   教えようか迷ったんだけど……
   幸い志摩子さんの実家がお寺だし」
  「祐巳さんさえ良ければ父に頼んで
   御祓いをしてもらうけど」

 

 

  「……お願いします」

  ショックの抜けきらぬ顔で何とか答える。
  志摩子さんには申し訳ないけど、
  今日ばかりは志摩子さんの境遇に感謝。

  「それにしても幽霊ねぇ」
  「由乃さん、こういうの怖くないの?」

  信じられない、と言った顔の祐巳。

  「うーん、あんまり……先代は?」
  「誰がですか!!」

  そんな先代は嫌すぎると可南子は思った。

 

(みゃあ)でも、明らかに先代だしなぁ(笑)。

2004.04.17

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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