彼女がドリルをほどいたら・後日談 |
薔薇の館―――。
今日も今日とて、山百合会メンバー+2は文化祭の準備に余念がない。 由乃は、新しい紅茶を注いだカップを各人の前に置いていく。 1年生が恐縮しているが、こういうのはタイミングの問題。 気付いた者がやればいい。 本音を言うと、由乃自身がのどが渇いていただけ。
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じ〜…。
先程から、祐巳さんがずっと瞳子ちゃんを見ている。 瞳子ちゃんは気付かない振りをしているが、明らかに手元が落ち着かない。 …あ、またシャーペンの芯が折れた。 「………(ぶすっ)」 対照的に、可南子ちゃんは仏頂面だ。 「ねえ、瞳子ちゃん」 「な、なんですか」 祐巳さんは、真剣な顔で、瞳子ちゃんの顔を見た。
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「最近、縦ロールにしてこないね」 「…は?」 「どうして?」 どうして…って。 祐巳さん。 それは、あなたが「その髪型可愛い」って言ったからじゃ?
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「ねえ、どうして?瞳子ちゃんの縦ロールが見れないと寂しいんだけど」 「……別に理由はありません」 あ。瞳子ちゃん、泣いてるし。 「(ぱぁあ…)」←可南子 …こっちはこっちで、凄い嬉しそうな顔してるし。 鈍感も、ここまでくると罪作りよね。 由乃は隣の志摩子さんと顔を見合わせて、肩をすくめた。
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瞳子(しくしく…やはり祐巳さまは祐巳さまですわ) |
2004.04.21 |