「ねぇねぇ、由乃さん」

「なに？　祐巳さん」

「先日ＴＶでやってたんだけど、砂糖を採ると、頭の働きが良くなるんですって♪」

「えっ？　そうなの？

じゃあ今度の試験前にたくさん採れば…」

『成績アップ間違いなし♪』

　

　

試験後

「どうだった？」

「………」

「あれ？　由乃さん、試験ダメだったの？

　私は結構上がったと思うよ？」

「………私も、多分良かった…と思う。

　でも…」

「でも？」

「２ｋｇも太っちゃったの〜〜〜」

　

　

「えっ？　それはちょっと採りすぎじゃあ…」

「祐巳さんと同じだけ採ったのよ！　令ちゃんに頼んでグラム単位で調整までしたのに…」

「由乃さんに教えた量って…あれって、私がいつも採ってる量だから、もっとたくさん採らないとダメなんだけど」

「………祐巳さんって………

　で、祐巳さんはどこで砂糖を採ったの？　薔薇の館では、いつもと変わらなかった気がするんだけど」

「どこって、ミルクホールだけど」

「へ？　自宅や薔薇の館じゃなくて？」

「うん。これから行くところだけど、由乃さんも一緒に行く？」

　

　

そして祐巳と由乃が向かった先には…

「やっほ〜♪」

先代白薔薇さまが、笑みを浮かべて先に待っていた。