黄薔薇さんちの課程の事情 |
「妹…?」 ごっきゅん。 由乃さんから、その言葉が出た瞬間、令さまは口に含んでいた紅茶を凄い音を立てて呑み込んだ。
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イタリアへの修学旅行も終わり、由乃さんも具体的に妹づくりを考え始めたらしい。 今まで、薔薇の館では決して口にしなかったその話題を自分から切り出した。 「ふ、ふうん。妹…妹、ね」 令さまは冷静さを装って由乃さんの言葉を反芻するのだが、その笑顔が痛々しいほど引きつっている。
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「…でね、修学旅行中に考えたんだ。令ちゃんからもらったロザリオをあげても惜しくないくらい、可愛い妹を選ばなきゃだめだって」 我ながら良い考え、というのを強調する由乃さんだが、令さまにとっては二重の意味でグサッときたらしい。 しかし、令さまなりに思うところがあるのだろう。 笑顔を維持したまま、決意を秘めた瞳をまっすぐに妹に向ける。
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「わかった。由乃も妹つくるの真剣に考えてるんだね。私に協力できることがあったら、何でも聞いて」 おおー…令さま、言った。 祐巳は、同じように感心しているお姉さまと顔を見合わせた。 しかし、由乃さんはテーブルについた両手にあごを乗せて、ふぅっとため息をついた。 「妹選びで悩んだことのないお姉さまの助言じゃね…」
「…由乃さん。令さま、泣いてるよ(汗)」 そりゃ、あんまりじゃ…と祐巳は思った。
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初のチャオネタがこれとは(^^;。「課程」は誤字じゃありません(笑)。 |
2004.04.22 |