修行が足りぬわ |
私は、大きく息を吸い込み、ゆっくり吐き出した。 閉じていた目を開く。
目の前に、由乃の顔。 大好きな由乃。 誰よりも大切な由乃。
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まっすぐな瞳が、私を見つめている。 その表情は真剣そのものだ。 私はどうしたらいいのだろう。 このままではいけないことはわかっている。 動かなくては…。
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だけど、私に由乃を傷つけることなんて、できるの? でも…でもやらなきゃ。 由乃もそれを望んでいるはず。 先程から、急かす誰かの声もする。 やるのよ、令! ああ…でも…でもやっぱり私にはっ!!
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「先生!…支倉先輩、立ったまま気を失ってます」 防具を付け、中段に竹刀を構えたまま。 乱取りの最中に、「リリアン最強の剣士」があっちの世界に行っていた。 ぷるぷるぷる…。 (もう令ちゃんてば令ちゃんてば令ちゃんてばっ!)
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山村先生「…仕方ないわねぇ、もう」 |
2004.04.23 |