ファミリア

 

私と祥子さまは薔薇の館に向かうべく歩いていた。
「ところで祐巳、あなた何か楽器は出来て?」
「いえ、何も心得がありません。祥子さま」
ん・・・なぜ祥子さま・・・。

薔薇の館では蓉子さまと江利子さまが書類をみながら話し込んでいた。
「お姉さま。祐巳、楽器の心得はないようですけど、音感は悪くありませんわ」
「祥子さまそんな・・・。」
「あらこの前の連弾うまく弾けていてよ。」

「そう、それはよかったわ。祐巳ちゃんも参加決定ね。ね、ロサフェディダ、祐巳ちゃん、何がいいかしら・・・。」

 

 

私は暗いところにいた。心細くなった私の肩にお姉さまが手を添えてくださった。
祥子さまの姿は見えない。でもお姉さまの手であると確信があった。
「祐巳、落ちつきなさい。もうすぐよ。」
そう言う祥子さまの手のほうがわずかに震えていた。

でも本番って何だろう・・・。
祥子さまに尋ねようとした時、どこからかアナウンスが流れた。
「皆様、お待たせいたしました。最後のグループです。
グループ名はFamille (ファミリア)です。

何だ文化祭のバンドをお姉さまと見にきたんだ。

 

 

近くからピアノのメロディーが聞こえてきた。
2小節後、聞き覚えのある歌声が聞こえた。
♪Fly me to the moon  Let me sing among those stars ・・・

それは聖さまの声だった。
ゆっくり緞帳が上がる。そしてステージ中央に立つ聖さまとシンセを奏でる志摩子さんに白いスポットライトがあたった。

客席からは黄色い悲鳴が聞こえた。
あれ、わたし・・・。

 

 

「それで・・・。」由乃さんが横やりをいれた。

「え?」

「私は、何を弾いていたのかってことよ。」
「んとね。ギター、パートはね、2ndだったよ。」

 

(みゃあ)Fly me to the moonとは意味深な(笑)。

2004.04.23

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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