ドジっ子属性? |
私はお聖堂へと続く並木道を駆けていた。 スカートのプリーツは乱れ放題、セーラーカラーは翻ることしきりだったけれど、そんなことは気にもならない。 一刻も早く、約束の場所へ行きたかった。
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最近は蓉子のおせっかいが煩わしいので、放課後は一目散に走ることにしていた。 ただし、季節は秋。 足下のギンナンにだけは気をつけねばならない。 お聖堂が見えてきた。 栞の姿が見える。 掃除に時間がかかった分、彼女の方が早かったようだ。
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私は息を切らせながら、栞のもとへと駆け寄った。 そして、栞と私はその名前を呼ぶ。すると彼女は振り返って、汚れのない瞳で微笑んでくれるのだ。 「栞!」 彼女はいつものように、静かに顔を上げて…。 「ぷっ…」 「えっ」
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息を整えるのも忘れて、立ち尽くす私に、栞はくすくすと笑いながら頬を指さした。 「授業中は寝ちゃだめよ、聖」 栞が差し出した手鏡を覗き込むと、右頬に教科書だかノートの跡がくっきりと残っていた。 私は必死で、顔を袖口でごしごしと擦った。 なぜ、栞の前では醜態をさらしてしまうことが多いのだろう。 自分でも顔が赤くなっているのがわかった。
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聖「5時間目が体育だったのよ…それでついウトウトと…」 栞「くすくす…」 聖「栞〜」 |
2004.05.01 |