天使たちの休息3 |
徐々に覚醒していく意識の中、まどろみに落ちる前にあった傍らの温もりが自分に近づいているのを感じていた。 (祐巳は甘えん坊ね…) そんなことを考えながら手探りで髪をなでた
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(ん?祐巳にしては、お下げが…。なんか、もっさりとしたような…) 目を開いてみるとソコには、瞳子ちゃんが横たわっていた。自分の手は瞳子ちゃんの縦ロールに触れていた。 祐巳は瞳子ちゃんの向こう側に居る。どうやら、腕枕をしているようだ。 (祐巳の腕枕か…。いいなぁ…今度してもらおうかしら) などと考えていると先ほど祐巳に対して甘えん坊と思った自分も似たり寄ったりと気づいてクスリと笑った。
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祐巳と瞳子ちゃんを眺めてみるとどこかで見た絵画のようだった。 たしか無名の作家で「母子」というタイトルだったと思う。 無名ながらも、「普通の家庭の温かさ」といった感じが伝わり心に残ったのだ。 ソレを見守る私は父親といったところかしら?
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瞳子ちゃんを間に挟むように祐巳のほうまで手を伸ばして抱くようにした。 ある程度、手を置く場所の違和感が無い場所を探して、位置が定まったら祥子は目を閉じた。 三人とも安らかな夢を見ることを願って…
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(みゃあ)自分もしてもらおうとか考える辺りが、実に祥子さま(笑)。 |
2004.05.04 |