足音比較 |
キィ…。 「ごきげん…」 「ほら、やっぱり祐巳さんだった」 「本当です。凄いですね、由乃さま」 ビスケット扉を開けるなり、聞こえてきたのはそんな声だった。
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「なになに、何の話?」 何やら感心している乃梨子ちゃんと、得意げな由乃さんに祐巳は尋ねた。 「由乃さまです。階段を上ってくる足音で、どなたか分かるって」 「あ、それって特徴あるんだよね。私も最近、分かるようになってきたんだ」 「お、祐巳さん。じゃあ勝負する?」 そこは勝負事の大好きな由乃さん。キラリと目を光らせる。
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祐巳が答える前に、誰かが薔薇の館の階段を上ってくる音が聞こえた。 静かに、一歩一歩、段を踏みしめるような足音…。 「これは…志摩子さんね」 「分かった志摩子さん!」 「あっ、お姉さま」 答えたのは、三人同時だった。
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キィ…。 「ごきげん…」 「ほら、やっぱり!」 「祐巳さんもなかなかやるわね。でも、乃梨子ちゃん…」 「やっぱり、志摩子さんだけは分かるんだね」 「え、いえ、別にそういうわけでは…」 「?」 その日、入ってきた志摩子が最初に見たのは、しどろもどろの乃梨子だったという。
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由乃さん書いたの久しぶりだ(^^;。 |
2004.05.07 |