しのげ退屈

 

  最近、私に接する態度がおかしい。

  「ねえ可南子ちゃん」
  「は、はいっ!」

  ちょっと声をかけただけなのに
  ピシッと直立不動になって返事。
  いつからリリアンは軍隊になったのか。

  「瞳子ちゃん、あのさ」
  「ななな何でしょうっ?!」

 

 

  「はぁ……」
  「どうしたの由乃さん?」
  「んー、私もしかしたらあの二人に
   嫌われてるのかもしれない……」

  ため息の由乃に祐巳が声をかけると
  意外な返事が返ってきた。

  「あの二人って?」
  「瞳子ちゃんと可南子ちゃん」
  「まさか、嫌ってないよ」

 

 

  「じゃあ怖がられてるのかなぁ……」

  ハフーと再びため息の由乃。

  思い返せば、一年生の前で令ちゃんに
  ガーッと文句を言ったりチョップしたりと
  怖い先輩ととられても仕方ない行動を
  結構とってきたかもしれない。

  「由乃さん、それっていつからなの?」
  「先週の火曜日くらい、かなぁ」
  「火曜日……あ」
  「なに?何か思い当たる事あるの?」

 

 

  「う、うん。実は先週の月曜日なんだけど」

  その日の夜……

  『あら由乃ちゃん、珍しいわね』
  「江利子さま、先週の月曜リリアンに
   来ませんでしたか?それも制服で」
  『月曜日?……ああ、退屈だったから
   偶然リリアンの制服を着て散歩していたら
   偶然薔薇の館を訪れてたまたまそこに居た
   縦ロールの子と背の高い子に会ったわね』
  「ちょっと!何話したんですか?!
   もしもし?!もしもーし!!」

 

(みゃあ)江利子さま、なんちゃって女子高生(笑)。

2004.05.10

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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