「祐巳さん、普段寝るときって何を着てる？」

薔薇の館のティータイム。

ちなみに、薔薇さま２人は遅くなるとのことで、テーブルを囲んでいるのは１年生と２年生だけ。

由乃さんの話題は結構唐突だ。

　

　

「わたし？」

自分の顔を指さして、きょとんとする祐巳。

興味なさそうな顔で、耳がダンボになっているのが約２名。

「うん、家ではパジャマだけど」

パジャマ。祐巳さまはパジャマ派。

心のメモ帳に速記しているのが約２名。

　

　

「そっか。やっぱりね」

「そういう由乃さんは？」

修学旅行で相部屋だったときは、お互いトレーナー姿だったけれど。

「うん、私もパジャマ」

由乃さんは、ミルクたっぷりのコーヒーをずずっとすすった。

　

　

「令ちゃんとおそろいの」

「「「「おそろいっ？！」」」」

驚きの声が４つ、唱和する。

黄薔薇さまのパジャマ姿…想像するのが困難だ。

「ええ、花柄のやつ」

「「「「花柄っっ？？！！」」」」

すでに想像を絶していた。