ねぐりじぇ |
「そ、そうなんだ…」 どことなく、ぎこちない笑みを張り付けて祐巳は言った。 一堂の頭の中には、すでに花柄パジャマでごきげんな令さまの姿が焼き付いてしまっている。 爆弾を放り込んだ張本人は、素知らぬ顔でコーヒーをすすった。
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「か、可南子ちゃんは?」 重苦しい雰囲気を振り払うように、祐巳は話を別に振った。 「Tシャツにスパッツですが」 「そ、そうなんだ!」 「「「「………」」」」 あまりにも普通すぎる答えは、さらなる沈黙をもって迎えられた。
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しかし、めげないのが祐巳。 「と、瞳子ちゃんは?」 「コホン。私は…」 「あっ、やっぱりネグリジェとか」 「…え?」
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「お姉さまもネグリジェだったし、瞳子ちゃんもそうかな…と思って」 「え、ええ!そうですわね…」 「やっぱり。瞳子ちゃんだったら似合いそうだもんね」 「と、当然ですわっ!」 勢いで言ってしまったが、実はパジャマ愛好家の瞳子だった。
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しかも、すんごい可愛いやつ。 |
2004.05.12 |