レクイエム

 

「とてもうれしかったよ」

淡いライトに照らし出され、祐巳は歌い出した。

「君が笑いかけてた」

ふだんの祐巳からは考えられたいほどの柔らかな歌声が会場を満たしていく。

 

 

「春はまだ遠くて、冷たい土の中で」

言葉の一つ一つに魂を込め、送り出して行く。

「芽吹く時を待ってたんだ」

それに合わせて、祥子のピアノがメロディーを奏でる。

 

 

「例えば苦しい今日だとしても、昨日の傷を残していても」

客席は2人の曲を聞き入り、誰一人、動く様子はない。

「信じたい。心、解いて行けると」

 

 

「生まれ変わる事は出来ないよ。だけど変わっては行けるから。let’s say togheter it’s go」

歌い終わると、客席からは割れんばかりの拍手が会場中に響き渡った。

「最後まで聴いて頂き、ありがとうございました」

祐巳と祥子はステージの前に出て来ると、客席に深々と頭を下げた。

「ありがとうございました。紅薔薇姉妹で、forフルーツバスケットでした」

 

岡崎律子さん追悼作品

2004.05.13

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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