強祐巳・出会い

 

くすっ。

不意に祐巳の耳に不可思議な笑い声が届いた。

妙な気持ちになったのは、その笑い声にわずかな悪意が混じっているように聞こえたからだ。

くすくす。くすくす。

笑い声は、薔薇の館の二階に響いた。

 

 

「瞳子ちゃん」

祥子さまが振り返って、笑い声の主をとがめる。

その時、やっと祐巳は気がついた。

こちらに後ろ姿を見せて椅子に座っている人間。それは、令さまでもなければ志摩子さんでもない。

「だって、祥子お姉さま。おっかしいのだもの、その方」

ゆっくりと、振り返ったのは気が強そうな眉の少女だった。

(な、何、この子…!?)

 

 

「くすくす…?ちょ…何きらきらした目で見てるんですか」

むんず。

「うわぁっ、なになにこの髪!すごーい、ね、触ってもいい?」

「…て、もう触ってるじゃないですかっ!

なななな、なんなのですこの方は?

 

 

「すごいなぁ…こんなに柔らかいのに、凄い弾力…」

びよんびよん。

「人の話を聞いてくださいっ!」

「うわー…のびるのびる(嬉しそう)」

びよーーーーん。

「うがあーっ!!」

 

これが、祐巳と松平瞳子ちゃんの出会いであった(大ウソ)。

2004.05.14

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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