弱祐巳・出会い |
くすっ。 不意に祐巳の耳に不可思議な笑い声が届いた。 妙な気持ちになったのは、その笑い声にわずかな悪意が混じっているように聞こえたからだ。 くすくす。くすくす。 笑い声は、薔薇の館の二階に響いた。
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「瞳子ちゃん」 祥子さまが振り返って、笑い声の主をとがめる。 その時、やっと祐巳は気がついた。 こちらに後ろ姿を見せて椅子に座っている人間。それは、令さまでもなければ志摩子さんでもない。 「だって、祥子お姉さま。おっかしいのだもの、その方」 ゆっくりと、振り返ったのは気が強そうな眉の少女だった。 (な、何、この子…!?)
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「お姉さま…」 「?……!!」 振り向いた祥子さまは、ピシッと固まった。 「私…そんなにおかしいですか?(うるる~…)」 「おっ、おかしくなんかないわ、ええありませんともっ!」 祐巳はくるりと、今度は瞳子ちゃんに向き直る。
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「私って、そんなにおかしい…?(うるるる~…)」 「え゛。…あのあのそのあの…」 「おかしいんだ…(ひっく)」 「おおお、おかしくありませんわっ!」 「…本当?(潤んだ瞳で小首傾げ)」 由乃「(萌えっ!)」 祥子「(萌え萌え~っ!)」 瞳子「(ももも萌えっ!)」
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ダメだよ、この人たち(笑)。 |
2004.05.16 |