弱祐巳・敵機確認

 

「祐巳、帰ったの?」

別荘の玄関をくぐった祐巳は、すぐにお姉さまに見つかった。

「ただ今帰りました」

テラスに歩み寄ると、小鳥たちのさえずりのような笑い声がピタリと止まった。

「皆さん、学校で私の妹になった福沢祐巳です。仲良くしてやってくださいね」

「よ、よろしくお願いします」

 

 

頭を上げた祐巳の目に映ったお客さまたちは、皆、アゲハ蝶だった。

「よろしく、祐巳さま」

「祥子さまの妹になられたなんて、うらやましいわ」

「素敵な方。ぜひ仲良くいたしましょうね」

蝶たちがほほえみ、口々に美辞を述べる。

しかし、3人が向けた一瞬の視線。それは「あなた何者?」という、よそ者をシャットアウトするような目つきだった。

 

 

 

「あの……ぁう………(うる〜)」

 

 

 

バシーン!

「祐巳さまに何をなさるのっ?!怯えてらっしゃるじゃないですか!!」

ドバーン!

「そうよっ、あなたたち、祐巳にお謝りなさいっ!!」

「「「えーっっ?!」」」

 

ある意味最凶(笑)。

2004.05.23

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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