「最近、山辺さんの娘さんに、パパは白薔薇様にメモを渡したって言ってるのよね…」

とあるカフェにて、見事なデコチンをもつ美女が溜め息をついている。

　

　

　

　

「気にし過ぎじゃないの？黄薔薇と白薔薇を勘違いしているとか…」

向かいに座る黒髪の落ち着いたイメージの美女がフォローを入れる。

　

　

　

数日後、

「蓉子、なんで白薔薇かの理由が判ったわ。誤植だったのよ」

「江利子、落ち着いて、順序を正して話して」

「あの子、リリアンかわら版を読んで話を知ったらしいんだけど、誤植があった初刷を読んでたのよ」

「あらあら、よかったじゃない」

「ホントよ」

　

　

「ところで、今日の日刊紙に、築島三奈子さんが怪我をしたって記事が出てて、「暗闇からデコが出てきて襲われた」ってコメントしてるけど、これは誤植じゃないわね」

「ホントは鞭打ちの刑をしたかったんだけどね。フフフ」

「（何がフフフよ、このサドフェティダめ…）…まぁ、あたしには関係ないから」