究極の選択 |
薔薇の館。 乃梨子は、思わず煎れたてのカフェ・オ・レをごっくんと飲み下してしまった。 熱い。 むせていると、志摩子さんが優しく背を撫でてくれる。 役得。
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「由乃さまって、以前はお体弱かったんですか?」 どうにかこうにか気管からカフェ・オ・レを追い出した乃梨子は、その原因となった事実に、あらためて目を丸くする。 「…いいリアクションありがと。それは何、今はとてもそうは見えないってこと?」 思いっきり「はい」とか言いかけた乃梨子の口を慌てて塞いで、志摩子さんは愛想笑いを浮かべた。 由乃さんは、こわい目で白薔薇姉妹を一瞥して、ティーカップを口に運んだ。
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「それで…」 淡々とお茶請けを片づけていた可南子ちゃんが、後を引き継ぐ。 「黄薔薇さまは、昔の由乃さまと今の由乃さま、どちらがお好きですか?」 「え。
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カチャ。 「…お姉さま。その間はなによ、その間は」
いやあゆるしてごめんなさいやめてよしのーっ!
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アニメ版では「お姉さま」とすら呼ばなくなったし(笑)。 |
2004.07.23 |