「なぁ、ユキチ。今度の定例会どうするんだ。毎年この会議は荒れてるぜ。」
「何せ、柏木先輩でさえ抑えるのに一苦労していたものなぁ・・・。」
「ユキチくんどうするの・・・。」

「どうしようもないだろう。各主部長が入れ替わっての最初の定例会なんだから。
先行しておこわなれる連合と評議会の盟主を中心にケンケンガクガクの論戦から乱闘に流れ込むに決まってるだろう・・・。」

「それを回避する案があるにはある。だがなぁ・・・・」

「本当か？いってみろよ。」

　

　

「それではこれより、定例会をはじめます。
本日は、新連合総長、新評議会議長並びに新長主部長による初めての定例会であり、新しい連合と評議会の代表に抱負を語っていただきたくことになっています。」

連合、評議会そして生徒会がイギリスの国会のようにT字に座る。

「まず会議に先立ち、皆様に祝福のお言葉を頂戴しております。」

「諸君、新主部長就任めでとう・・・・・。」

スピーカーから聞こえてきたのは前生徒会会長の声だった。
これも毎年恒例の儀式であった。
このセレモニーの後、論戦の火蓋が切って落とされるこっとになっている。

祝言が終わると評議会議長がおもむろに立ち、自らの抱負を述べようとしたのを生徒会が止めた。

「お待ちください。もう一方より祝福の言葉がございます。」
「本日は特別の配慮があり、滅多にいや絶対にありあない方から皆様へ祝福の言葉を頂いております。」

「皆様、中央スクリーンをご覧ください。」

　

　

「新主部長のみなさま、就任おめでとうございます・・・・・・・・」

スクリーンに映っているのリリアンの制服を着た一人の乙女だった。

それを目にした生徒たちから、”おおおおぉ！”というどよめきがおこった。
その後、生徒たちがいっせいに立ち上がり、右手を左胸にあて、直立不動の姿勢をとったのはいうまでもない。

スクリーンから乙女の姿が消えると、祐麒以外のすべての生徒がさっと右腕を掲げ。

「ジーク、ロサ　キネンシス　アン　ブゥトン！」
「ジーク　ハイル！」
「ジーク　ハイル！」
「ジーク　ハイル！」

「ハイル、ロサ　キネンシス　アン　ブゥトン！」
「ジーク　ハイル！」
「ジーク　ハイル！」
「ジーク　ハイル！」

シュプレキコールはいつまでもなりひびいていた。

　

　

その後、定例会はどうなったかと言えば、多少の衝突はあったものの互いに和解。新たに一つの組織が増設されることとなった。

　

そう、福沢祐巳親衛隊の結成である！