ニブすぎ |
「それで、瞳子ちゃんに廊下のところで待っててもらったんですよ」 「まあ、そうなの。ごめんなさいね、瞳子ちゃん」 「…いえ。さほどの時間でもありませんでしたので」 紅薔薇姉妹プラスワンを先頭に、祥子さまいわく「大きなかぶ」の一行が、ぞろぞろと校門を目指して歩いていく。 図書室の閉館時間を過ぎたとあって、初冬の夜空には星が瞬いていた。
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「やっぱり、もの凄い勘違いをしていたのよね、私」 最後尾を歩きながら、三奈子さまが呟いた。 「勘違いって、何をです?」 横を歩きながら、真美が訊ねる。 無言で示すお姉さまの視線の先を追うと、紅薔薇姉妹と松平瞳子ちゃんの後ろ姿があった。 「ははぁ…」 訳知り顔で、蔦子さんがフムフムと頷く。
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「まあ、それでわざわざ戻ってきてくれたの?」 「いえ…。私も気になっていましたし」 「瞳子ちゃん、結構責任感強いから」 「別に…そういうわけでは」
「つまり…視線の先は、それぞれ別だったというわけなのよね」 呟く三奈子さまに、真美はピンとくるものがあったのか、メモ帳を取り出して、忙しく鉛筆を走らせ始める。
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「それにしても…」 半ばあきれたように、三奈子さまは前を行く三人、そのうちの二人を交互に見やる。 「祐巳さんて、実はものすごくニブイわね」 「………」 このお方に言われるようでは、相当なものだわ…と、真美は蔦子さんと顔を見合わせた。
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今回、三奈子さまがもの凄く核心突いてましたねぇ。 |
2004.12.25 |