別に変わってません

 

「何を期待なさってたんですか、祐巳さま…」

謂われのないことで、あからさまにがっかりした顔をされて、ため息。

一方で、そのあまりの落胆っぷりに、責任もないのに申し訳ない気持ちに。

理不尽な。

 

 

「ご、ごめんね、可南子ちゃん?」

そんな庇護欲をかき立てられるような上目遣いをされては、恨み言など言えるはずなし。

「いえ、気にしていませんから。でも一体誰にそんなことを…聞いたのか、想像はできますけど」

ギロリ。

心当たりの縦ロールに必殺の視線を向けるも、彼女は鋼鉄の演技力と自制心でクラスメイトとのおしゃべりを継続。

 

 

「とにかく、別に私に変わったところなどありませんから」

「そ、そっか」

「………」

「………」

 

 

「ああ、ところで祐巳さま」

「え、な、なに?」

「祐巳さまのお家に、布おむつなど余っていませんか」

「…は? お、おむつ?」

「ええ。次子が紙おむつだとかぶれるらしくて困ってるんです。赤ちゃんの肌って、とても敏感なんですよ」

「…もしかして、それみんなに聞いてる?」

「?ええ、それが何か」

 

祐巳「これは確かに変わったわ、瞳子ちゃん」

2005.1.4

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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