スール

 

「え?」
わたしが、聞き返すと、
「い、いえなんでもありませんったら。」
と瞳子ちゃんは顔を真っ赤にしておもいっきり否定してくれた。

私は、ゆっくり一歩前にでて、瞳子ちゃん。とよんだ。
「な、なんでもありあせん。」
そう言うと瞳子ちゃんは一、二歩後ろに下がったかと思うと私に背を向けて走り出してしまった。

 

 

私はその背中にむかって、「瞳子」と言って呼び止めた。
瞳子ちゃんは、私の声に驚き、びくんとしてとまった。そしておそるそる私のほうを向いたのだった。
私は、なぜ名前で呼び止めてしまったのか自分でもわからなかった。でも振り返った彼女の顔を見た瞬間、自分の思いに気づいてしまった。
私はゆっくり瞳子ちゃんに近づいた。そして、
「瞳子、言いたいことがあったらはっきり言いなさい。」
「で、ですから何でもありません。」
瞳子ちゃんは怒りをあらわにしている。そんな彼女にわたしは静かに「瞳子」と諭した。
「あ、あの・・・・はい。」
瞳子ちゃんは観念したようで、さっき私にいった言葉をもう一度声にした。

「私を妹にしてください。」

 

 

「それでいいの?」
そういって私が胸元からロザリオを取り出すのをみて瞳子ちゃんはさらに驚き、
「あ、あの、祐巳さま。本気ですか。わ、わたしと…、そ、それに可南子さんのことはどうするんですか?」
「瞳子は、私に姉になってほしいから言ったわけじゃないの?それに可南子ちゃんのことはいま関係ないでしょ。これは私と瞳子との問題よ。」
「で、でも・・・・。」
「可南子ちゃんはね。私に違う人の面影をみていた。だからありあえないわ。そのことは、瞳子も感じていたんでしょ。」
「そ、それは・・・。」

私はおもむろに首からロザリオをはずし、それを両手で広げ正式に申し込んだ。
「わたし福沢祐巳は、松平瞳子にスールの契りを申し込みます。」
瞳子ちゃんはうつむいてしまった。
「わ、わたし・・・。」
「瞳子、私はあなたに妹になってほしい。あなたは、私が姉ではいや?」
「いえ・・・。」
「これを、あなたの首にかけてもいいわね。」
瞳子ちゃんはここで表をあげ、「はい。お受けします。」と声を震わせながら小さく言った。

 

 

私が瞳子の首にロザリオをかけると、周りから黄色いざわめきが起こった。
おりしもそこはマリア様のまえ。
私は、その声を無視し一部始終を見ているであろうお姉さまの方を向いた。そしてこう宣言した。
「お姉さま、わたし福沢祐巳は、松平瞳子を紅薔薇の蕾の妹にしたことをここに宣言します。」

周りからは、さっきとは比べものにならないぐらいの黄色い歓声がこだました。
祥子さまは、私たちに祝福の言葉をかけてくれた。瞳子は感きわまり祥子さまに祥子姉さまとすがり付いて泣きじゃくってしまった。

私と祥子さまとで瞳子をなだめすかし、笑顔に戻ったところで3人で仲良く帰った。後日私は瞳子に、これからはけじめをつけて私をお姉さまと呼ぶように言った。そしてたとえ私生活であろうとも祥子さまをお姉さまと呼んではいけないことを付け加えたのだった。
お姉さまに嫉妬するのもなんだけど、瞳子がお姉さまと呼んでいいのは私だけ。そう、瞳子は私だけの妹。

 

(みゃあ)よ、呼び捨て…(くらっ&はなぢ)

2005.1.4

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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