「お姉さま、あけましておめでとうございます！」

「ああ、祐巳。あけましておめでとう」

子犬のようにキャンキャンとじゃれついてくる新年初生妹の愛らしさに、祥子お姉さまはもうどうしていいやら。

涼しげな顔でも、内心バックンバックン。

　

　

そんな祥子さまを知ってか知らずか、祐巳は無邪気に腕をからませる。

「お姉さま、私、今年は家で『なかきよ』やったんですよ？」

「まあ、そうなの？」

「はい！」

ああ…その笑顔は１０００万パワーもとい１００万ボルト。

　

　

「それで、よ、良い初夢は見れて？」

「はい！とっても良い夢でした。…実は、お姉さまと」

「わ、私と？」

「…お雑煮とタスマニアンタイガーの夢だったんですよ♪」

「そう、それは……………………………………？」

　

　

ねえ祐巳聞いてもいいかしら私とお雑煮はともかくとしてどうしてタスマニアンタイガー？なのかしらねそれは一体どんな夢なのかしら良い夢？私とお雑煮とタスマニアンタイガーで良い夢？想像も付かないわ私まだ時々あなたのことがわからないわねえ教えてちょうだい祐巳…

　

祥子さま、プチ混乱。

祐巳のメダパニが効いているようだ。