それぞれの思い。

 

「祥子、文化祭で何かあった?」
「え?」
「祐巳ちゃん、今日ちょっと元気がなさそうだし。祥子もさっきからため息ついてるわよ。」

薔薇の館にはいま薔薇さまのふたりだけ、ほかの住人はいま文化祭の後片付けのため体育館へ向かっている。

 

 

「そう。そんなことがあったの。」
「えぇ…。」
「あの子、ひとり土手で座っていたわ。黄昏ていたって言ってた。去年もそう。ひとり土手に座って今にも泣きそうだった。おそらく来年もあの子はひとりで座っていると思うわ。そのときそばに居てくれる妹があの子には必要なの。」
そう。支えてくれる妹があの子にも必要なのよ。

 

 

「祥子…。」
「私は…大丈夫よ。まだちょっとつらいけど。私は一生、水野蓉子さまの妹で福沢祐巳の姉でありつづけることができるって思えるようになったから。だから大丈夫。」

「それより、令。あなたはどうなの?由乃ちゃんが妹つくってそっちの方ばかりみるようになっても平気でいられる?」

「う…ん。多分大丈夫じゃないと思う。由乃を自分の方に向けるために孫と張り合うことになるかも。」
「あらあら。それじゃ、由乃ちゃんも大変ね。」
「いいんじゃない。由乃だって分かってると思うから、私と張り合えるような妹を見つけてくると思うわ。」

 

 

「まぁ、令ったら。」
「どうなるか分からないけど、由乃の妹になる子はおそらく幸せよ。黄薔薇家は代々、孫をそれはそれは可愛がっるんだから。」
「あら、それはうちだってそうよ。妹と孫を大切にするんだから…。」
「「ふふふ・・・・・。」」

「ん。由乃たちの声がするわ。みんな戻ってきたようね。」
「それじゃ、紅茶入れて迎えましょう。」
「そうね。そして二人で孫の催促でもしてみるか…。」

 

(みゃあ)令さまに張り合えるって、相当のヘタレですか(笑)。

2005.1.14

 

爆笑! くすりっ もえ〜 じんわり つまんない

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