めいあん |
「………」 祥子さまは、入ってきた瞬間、立ちくらみを起こしかけた。 非日常的な光景に理性が置いてきぼりをくらっている。 「あ、祥子」 「ごきげんよー」 もっさりとコタツにくるまった黄薔薇姉妹から、投げやりなあいさつが打ち上げられる。もはやどーでもよくなったらしい。 祥子さまはこめかみを押さえた。
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「あなたたち…」 「お姉さま、こちらへどうぞ!」 祐巳が素早く立ち上がって、お茶の用意を始める。 「こちらへ、って…」 コタツはほぼ正方形。四辺のうち3つを令、由乃ちゃん、瞳子ちゃんが占めている。 祐巳が抜けた所へ入ると…
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「それでは、あなたの座る場所がなくなってしまうじゃない」 いえ、祥子さま。根本的な問題はそこではありません。 「あれ…そういえばそうですね」 新しいカップに緑茶を入れて戻ってきた祐巳が首を傾げる。 「あ!お姉さま、いいことを考えました。そこへ座ってください」 「…こうかしら」 妹に勧められるまま、半信半疑でコタツに入る。足と、それからお尻の辺りが温かい。 「もう少し、後ろに下がってください」 「こう?」
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「はい!」 ぴょんこ。 お姉さまのお膝の間に、ふぇーど・いん!そして密着。 「どうですか、お姉さま?」 「そ、そうね。これなら問題はないわ。あるものですか」 見ていた瞳子ちゃん、なんとなくムッ。 どちらに対して、ですって?決まっているじゃないですか。私が祥子お姉さまに対して嫉妬などするはずがありません。ええそうですともっ。
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タイトルは「名案」でも「明暗」でもお好きな方で(笑)。 |
2005.1.17 |